どういう意味?

「ことば」の解釈斜め読み

「短気 (慈13) 」

「そなたは面白い物を思いつかれたの。今も短気がござるか。

 あればここへ出さっしゃれ、直して進ぜよう。」盤珪

 

 盤珪:江戸時代初頭の臨済宗の禅僧。

    自らの修行遍歴の体験から、「不生の仏心」を説く「不生禅」を創始。

 

「短気」や「絶望」などは、一時の感情である。

物品のように表に出せるはずなどない。

これらの感情は、その人自身でしか直せない。

 

*さすれば問ふ、「短気」は出されずとも、

「短気(感情)を制御する術は如何に」と。

 

盤珪導師の言葉)

 ・「昔思えば夕べの夢じゃ、とかく思うは皆うそじゃ」盤珪

 ・「今日生まれ変わったように始めて示しを聞くように聞けば、

   内に一物がないから法成就が早くなりまする。」盤珪

 これが答えでしょう。

 これが感情を、その人自身で制御する術の一端なのでしょう。

 

閑話休題:「秋月竜珉(日本仏教学者倫理学者)」導師は

     日本の禅を次の三つに分けています。

  1.道元の日本曹洞宗

  2.白隠の日本臨済宗

  3.盤珪の不生禅

   1、2は基本的には中国禅の流れであるのに対し、

     3の不生禅は臨済系の禅から生まれていますが、

     極めて日本的な禅と言えるのでしょう。

 

  禅僧の 袈裟の薄さや 夏落ち葉

       2020.06.17 moai291