「捨てられてなお咲く花のあわれさに
また取り上げて水与えけり」 (九条武子)
*西本願寺・大谷光尊の次女として生まれる。
大正~昭和時代前期の歌人。
後年には社会運動活動家としても活躍した。
シンプルな表現がなされている和歌です。
「花」 をそのままの花と理解しても良いし、
「花」 を 「人 (女の人)」と詠んでも理解できる和歌です。
捨てられた花にも 「いのち」 がある。
まだ生かせるものとして、 (水を与えて)慈しむ心の表現がある。
言い方を変えれば、 仏のこころ、福祉の心とでも言うのでしょうか…
*「おほいなるもののちからにひかれゆく わがあしあとのおぼつかなしや」
築地本願寺にこの歌碑があります。
九条武子の一生を表現しているような和歌です。
九条武子の人生をこれほど的確に謳った歌は他にはないと思います。
如月忌 九条の句碑の 石白し
2020.06.20 moai291