「これ何? 」:情けは人の~
「一本の松明の火を、数千人の松明に分けても
もとの火は消えないように、人への慈悲の
報いは減ることはない。」 (大智度論)
世間では、何事につけ与える人は損をして、
もらう人が得をすると考えがちです。
しかしながら、本当にそうなのでしょうか。
例えば、貸した本が返ってきた時、その活字は
減っていません。
きれいな絵画を多くの人に見せても、その絵画は
消えて無くなったりはしません。
(なんだか、屁理屈みたいですが………)
受けた行為に対して、人は恩を感じて、それ以上のものを、
与えてくれた人に返す様に努めるのが世の常でしょう。
与えた人のみが、あながち損をしている訳ではありません。
松明の火を、他者に分け与えても損などしていません。
「情けは人の為ならず」と言うことなのでしょう。
【閑話休題】
「情けは人の為ならず」の解釈について。
解釈①=「人に情けをかけると、巡り巡って自分に
良いことが返ってくる」と言う解釈。
解釈②=「安易に情けをかけることは、その人のためにならない。」
と言う解釈。
※解釈②は誤訳とされていますが、私はこの解釈ほ方が
昨今はなぜか「シックリ」くる気がしています。
本来の解釈①は、「最後に良い事が自身に返ってくるから
情けをかける」、何と言う自己中な考え方なのでしょう。
情けをかける時点で、最終的に自分に良い事が返ってくるから
それを意識して情けをかける人などいないでしょう(と思う。)
*小分けせり おでんの味の 滲みた串
2020.12.13.moai291