どういう意味?

「ことば」の解釈斜め読み

「恩は石に (慈30) 」

    「恩は石に刻み、恨みは水に流す」 (高田好胤

 

  *奈良・法相宗総本山薬師寺の第127代管長

   大正13年大阪市生まれ

   金堂、西塔、中門、回廊などの再建を実現

 

 俗人(凡夫)は、「恨み骨髄」との言葉がある様に

なかなか水に流すことなど出来ないものです。

 

 恩を仇で返す様な人も多い。

恩をかけられた事すら覚えていない人もいる。

 

 かけられた「恩」を何時までも忘れないためには

今の自分が普通に生かされて存在しているのは、

間違いなく多くの人々の支えがあっての事たと

認識することから始まるのでしょう。

 

 様々な恩によって支えられ生きているとの

認識を常日頃から持ち続ける事が大切なのでしょう。

 これが、いわゆる「悟り」にも繫がるものなのでしょう。

 

 高田管長は「結局のところ悟るとは決心することだよ」

とも言っています。

 

 いらだちは自分の未熟さからくるもの。

何時までもこれに流されず、素直な感謝の気持ちを

持ち続けていきたいものです。

 

  川の音 蛍火かすか 風の中

     2020.07.04 moai291