「これ何? 」:最善
「虎の、仔を銜えるに、急なれば傷つけ
緩やかなれば失う。」 (成実論)
虎や猫などの動物は、仔の首の皮を
銜えて移動することがあります。
この時の銜える力は絶妙です。
強すぎれば傷つけ、弱すぎれば落としてしまう
ことになります。
この様に、行いは中庸を心がけることが肝要で、
行き過ぎる事の無いよう、自戒すべきと説いています。
しかし、物事の本質的な「中庸」を心がける事は、
本当はとても難しい事ではないのでしょうか。
「中庸」とは、ただ単に考え方の人数の多いとところが
中庸と言う事ではなく、考え方の中心ベクトル(本質)を
どこに置くかによって異なるのでしょう。
「右」でもなく「左」でもなく、「上」でもなく
「下」でもない。
時代によっては、「右」・「左」等の考え方も
変遷しうるものです。
今考える「中庸」は、もしかしたら100年後は
「左」もしくは「右」よりの考え方になっているかも
知れないと言うことです。
その時点 々 において、各自が最善の中庸とは
何なのかを感じ取り、議論・思考を積み重ねていく
しかない様な気がしています。
* 小さき石鹸 手のひらに消ゆる秋
2020.11.10.moai291